2007-01-01から1年間の記事一覧

ただそこにあること

明け方の街に生きるカラス。 奴らは私になにを伝えようともせず、ただ存在している。 私は(相当勝手なことだが)そのくちばしに意味を感じとる。 かわいいひとを見かけた。 埼京線、車内でのことだ。 リクルートスーツを着ていた。就職活動中だろうか。 艶…

FLASHBACK

ソファーで紅茶を飲みながら、お気に入りの雑誌を眺めてたら、いつのまにか眠っていました。起きたら暗くなっててびっくり。でもそれ以上に驚いたのは、とても静かだったことです。はじめは耳がおかしくなっちゃったのかと思いました。 窓から外を見ると、オ…

鈴木光人さん

Underworldを油絵、レイハラカミを水墨画としたら この人の曲は水彩画だ。 いつか見たようなサウンドスケープ。 一番身近なエレクトロニカ。 冬の朝、フランフランみたいな部屋で 恋人と紅茶を飲みながら、他愛のない言葉を静かに交わし ちゃちなスピーカー…

ゴールデンスランバー読了

伊坂さんの新作です。 こういう出来のよい小説を読むと 純文学なんて本当に必要なんだろうかと疑問に思う。 この人の小説の素敵なところは 伝えたいメッセージなんて全然ないってことだ。 作者の思惑は消えて、ただ物語だけがそこにある。 メッセージ性のあ…

思考のきっかけを散りばめる

子供と接していると これ以上のエンターテイメントは存在しないと、心底思う。 でもこれって、俺の子供に対する興味が大きいからであって 実はどんな事象も 子供に対するのと同じだけの興味を持って接すれば 最高のエンターテイメントになるのだと思う。 だ…

意識の発明

説明を求められることが多いので 聞かれてもいないのに理由を考える癖がついている。 こうして理由をこじつけることで 意志はいらん宿命を背負う。 本当の我々は、感じたままに動いている。 衝動のままに生きている。 理由を分析するのは 他人か未来の自分に…

そして女子高生は踊る

黒い雨が降った次の日は、アスファルトにヒビが入る。 ヒビを長い時間眺めていると、やがて全てが反転する。 まずアスファルトがあったのか、ヒビがあったのか ヒビこそ始めから存在していて、それ以外はあとからできたんじゃないか。 (これはもちろん脳内…

フジファブリック-銀河

4分過ぎからが素敵です。

宝石のようなものを

昔の文章やらを、PCから掘り起こしました。 読んでいて、とても楽しかったです。 アウトプットされてたものは、今よりずっと拙いけれど 人間として、3年前の自分の方が魅力的だった気がする。 どちらか一人を友達にするのなら 3年前の方を選ぶかな。 宝石の…

UNIQLOCK

素敵です。何時間でも見ていられる。

MEG - OK

やばい。やばすぎる。 レディオヘッド全く聴かず、こればっか聴いてます(YOUTUBEで)。 言葉で説明できない、胸を鷲掴みにされたようなこの気持ち。 大声で叫びたいけど、細い息しか漏れでてこないよ。 触りたくて触りたくて仕方がない。 手遅れになるまえ…

引用

田口賢司のメロウという小説が好きだ。 タランティーノの紡ぐ、くだらない言葉たちを心から愛している。 暇さえあれば、風の歌を聴けばかり読んでいる。 そして、フリッパーズギターの歌詞が胸に染みる。 過ぎ去ったことに意味はない。 分からない未来のこと…

帰省中

帰省して3日、のんびり過ごしていると 普段考えているほとんど全てが、意味なきことに思われる。 僕らはもっと、違うことに頭を働かせるべきなのだ。 単純な印象、小さなポリシーの数々を大切にすること そして、やがて消え去るものとして、それに相応しい姿…

ガラクタについて

ワープ!! コンビニからコンビニへ、上昇気流に飛び乗って。ルートは虹のアーチよろしく雲を越える。神様の視点から見る都市は、ゾウの肌にとても似ている。 ブラックボックスが無数に立ち並ぶ新宿にダイブする。徐々に腐りゆくもの、蒸発するもの、ふやけ…

消える言葉-1

「アナライズ」 「ロストが始まったとき、いち早くそれを察知したのは、鳥たちだった。陰る夕日を浴びて、群れからはぐれた一羽のカラスが飛び立つ」 「1980年、ある大物ミュージシャンが殺されたのを聞いて、俺はガッツポーズをした。俺のガールフレンドを…

始まりのケーススタディ

インテリアにとって最も大切なのは、靴だ。どんなに整った部屋でも、脱ぎ散らかされた一足の汚い靴が、全てを台無しにする。だからといって、靴の収納にだけ金をかければいいわけじゃない。インテリアにとって靴と同等に大切なのが、統一感だからだ。 統一感…

会話のある風景

私の職場はマンションの一室で 昼休み、リビングルームに集まってお茶を飲んでいると まるで休日のようなのどかさだが 年令も性別もまちまちな私たちは、家族には見えないだろう。 介護員の亮くんなんかは ふだん部屋に閉じこもって仕事をしている事務員のか…

架空についての考察

ずっと住んでいた部屋を追い出されたが文句は言えない。 所有権のない人間に、文句を言う資格はない。 正当な手続きを踏んで、ここで暮らしはじめたという記憶はあるが それはあくまで記憶の話だ。真実ではない。 住む場所がないと訴えたら、黒服の男が案内…

森と少年(1/4)

深い森がある。 そこに住むアンドロイドたちは、森の外を知らない。 生活に支障はない。 泉から通じる川は、水を森の隅々まで運んでいるし 無数にそびえ立つ木のいくつかには、コンセントプラグがある。 木の実は鳥や小動物を生かし、それらは他の動物を呼び…

架空の事件についての考察

容疑者がアンドロイドであることで、事件はメディアに大きく取り上げられた。 アンドロイドが人間を傷つけることは、システムとしてありえないからである。 現場は教会で、殺されたのは、洗礼を受けにきた14歳の女の子。 犯人の実名を示すダイイングメッセー…

架空の神についての考察

その地下室は、死都(すなわち滅びてしまった東京)のすぐ近くにある。 老人が一人、そこに暮らしている。 その目は現実を見据えていない。 何を聞いても答えは返ってこない。 魂がすっかり抜け落ちてしまったのだ。 地下室は厳重すぎるほど厳重に警備されて…

時間域についての考察

昨晩電話で話した上海の大富豪の娘は なにかの集会に参加するため新宿に出向かなくてはならないのだが まだ時間域をうまく飛べないので、駅まで迎えにきて欲しいと言った。 新宿駅が先月断絶されたことを、まだ知らないらしい。 断絶作業は、ひっそりと行わ…

架空の男性Rについて考察

人は彼のことを、完璧な人間だと言う。 もう少し観察力の高い人になると、プライドの高い人間と評する。 だが彼の兄だけは、劣等感の固まりだと見抜いている。 彼は会社員として、缶チューハイの企画を5年間続けていた。 3年目にバーテンダーがプロデュース…

架空の女性Sについての考察

彼女は風俗街で、性欲処理をなりわいにしているアンドロイドだった。 客を店に連れ込むところから仕事が始まるのだが この業界で生きていくのは、彼女達にとって難しい。 人間が圧倒的に好まれるからだ。 たとえば真夏日の昼間に、着物を着て客を引くことも…

架空の国Nについて考察

年に一度だけ、一週間だけ、カーニバルが開かれます。 国中から人が集まり、カバもウサギもアンドロイドだって集まり みなが、浮かれ、踊り、踊るのです。 アンドロイドは本来、祭りのようなものを好みません。 タカが外れるからこそ、面白いのが祭りですが …

架空の女性Rについて考察

彼女は親を尊敬している。 そして、信頼している。疑ったことなど一度もない、と言いたいところだが どうしても信じられないことが、ひとつだけある。 それは、生まれについて。 彼女の親は、彼女に父親がいないと言う。生物学的に。 彼女には不思議な力があ…

あじさい

サニーデイ・サービスばかり聴いている。 というか、『あじさい』という曲ばかり聴いている。 さいだぁのストロオに細い指を絡ませて 遥か遠い蜃気楼で君が笑うのだからたまらない。 しかも君は、『可愛いひと』なんだから、もう何も望むものはありません。 …

ハイドラ(Hydra)…金原ひとみ

まずタイトルがいい。 帯に書かれた説明文には「最新恋愛長編」と書かれているのに 題名が「ハイドラ」だもの。 この作者はいつもタイトルがいい。 「アッシュベイビー」「AMEBIC」「オートフィクション」 言葉の選び方が、何かを鋭く突いている。 そのうえ…

人類の思考と価値観の調和

皆、自分が一番大切だ。 → だから、人は裏切ることがある。 → 絶対に他人を信じてはいけない。 他人を道具として使う人間がいる。 → 好意を持って接すると、道具として使われる。 → それを回避するためには 全ての人間を 全ての情報を 道具として扱い 冷たく…

capsule / SugarlessGiRL

前作からさらに加速したボーカルのアンドロイド化は 行き着くところまで行ってしまった。 アンドロイドどころか、波形と化していた。 エロティックな、波形。