アイドルロジック-3

夜空を見ながら水野は思う。きっと月だからいけないんだ、と。 夜に外を歩けば必ず目に入ってくる月からどうしても相原を連想してしまうせいで、何度も思い返してしまう。そうして回想が繰り返されることで、水野にとって相原との記憶は、人生におけるほんの…

アイドルロジック-2

高校生の頃の水野が、相原との関係を思い悩んでいたとき、相原は郷田と、ときどき思い出したようにデートをしては体を重ねていた。 「私、郷田を好きにはならないよ」相原はいつも言う。 「じゃあ、なんでこうして会ってくれんの?」郷田が尋ねると、相原は…

アイドルロジック-1

水野は貯水池のことを思い出している。 立ち入りが禁じられていたので、家の近くだったにも関わらず、貯水池を取り囲む林は未知の空間だった。幼い水野は外周をまわる。危険な生き物が潜んでいるわけでも、不穏な空気が漂っているわけでもないのに、そこに理…

書くということについて

ここのところ体調が悪くなることが多く 喉が痛かったり、頭が重かったりします。 精神的な症状かもしれないと思うこともありますが 今のところ、仕事に大きな支障はないので、よしとしています。 小説を書きつづけてきました。 正確な自己評価というのは、と…

サユミの話(あるいは原発の是非について)

スナフキンによる殺人は世間をひどく混乱させていた。その猟奇性や謎めいた殺害予告はマスコミの格好の餌食となり、やがて全ての事件がスナフキンと関連づけて語られるようになった。そもそも殺人事件というのは日常的に起こっているものだが、それらがスナ…

言葉と呪い

地震の瞬間、いつもの揺れだろうという安心が このままじゃまずいんじゃないかという、不安にかわり その不安はずっとずっと、続いたのでした。 「最悪の状況」が、頭を過ぎりました。 災害の記憶、ときにフィクションで ときにノンフィクションで、何度も描…

芸術になってはならない

芸術っていうものの定義をきちんとした上での話ではないけれど なんとなく「芸術」を作ってはならないという意識がある。 もっと砕いた言葉で言うなら 「感心」するようなものを作ってはならないとか 「難解」であってはならないとか そういうことを言いたい…

20110101

正月の昼、急に諏訪哲史のことを思い出し 久しぶりにアサッテの人が読みたくなった。 ネットで調べると、もう文庫が出ているらしい。 同時にまだ読んだことのない新刊を 出しているということを知った。 なにかひとつでも見つかればと 自転車で、書店に向か…

夜を歩く

真夜中、あなたは石に触っている。 昼の間、太陽の光に暖められたそれは ほのかに暖かい。 遠くで銃声が響く。 あなたは立ち上がり、少し立ちくらみ 固く目を閉じて再び開く。 明晰になった夜の風景を歩いていく。 ほとんど同時にあなたは とあるブログの文…

エピローグ(もしここでまとめるとしたら)

友人の日記で知ったので インテルの、デジタルブックレットを置けるところに ブログのまとめを公開してみた。 チンコやらマンコやらと書きまくっているので なんか、公開審議が通らないような気がしている。 ちょっとしたエピローグもつけた。 以下がそれだ…

祈り

ノートPCの電源が切れるまでの二時間は、この騒がしいカフェで書こうと決めていた。夕方の五時、レジ前のコーヒーはクソ不味いデカフェしか残っていなくて、俺は最悪の気分でテキストを書いては、消していた。作業はいっこうに進まなかった。 向かいの席に…

ガラパゴス(笑)

ニュースでガラパゴスって言葉を聞いたら それはものすごい褒め言葉なんだと 脳内で置き換えることにした。 そして俺は、俺の脳内に 超ガラパゴスな領域を作ろうと思う。 脳内は少しだけ未来 俺は疾走MW2を作っている。 今夏に発売されたゲームが 俺の業界内…

ちょっと不思議なできごと。

これからここに書くことは100%真実だ。 いつものような創作じゃない。 だから、それほど不思議には感じないかもしれない。 でも、自分にとっては(あくまで主観ではということだけれど) とても不思議な出来事だったし さらにいえば、とてもうれしい出来…

ヴィラコスタ2101 -killer-

最近、ヴィラコスタでの依頼が多すぎる。 同じとこで何度も殺しをやるってのは やべぇなと思っちゃいるんだが 断れない依頼人だからしょうがない。 2101号室の女は協力者で 必要な刃物や、緊急用の銃は そこに置かせてもらっている。 多分ボスの女なんだと思…

サンフランシスコから帰国しました

GDCに行ってきました。 さすがはトップクリエイターの集まる場所。 様々なアンテナに引っかかりがありました。 個人的にうれしかったのは ゲームを作る人たちの集まりの中で 文学的な刺激を得られたこと。 成功者の中にも、高いレベルで きちんと物語を考え…

ヴィラコスタ -記述者-

家族が寝静まったあとベッドに寝転がってこれを書いている。 書き終わるまでノートPCの電池が持つのか、少々不安でいる。 ベッドの上で叩くキーの音は意外に響き 隣で寝ている家族を 起こしはしないかということが気がかりだ。 来週はサンフランシスコに出張…

ヴィラコスタ -女の視点1-

籠の中に蝶がいます。 その蝶は、青にも見えます。 蝶の死について考えます。 死について考えながら、性交します。 やがて精子が放たれます。 音楽について考えます。 ホテルに流れている音楽について。 それはジャズで、演奏者は過去の人です。 場の雰囲気…

ヴィラコスタ2102

隣の部屋に、女が住んでいる。 ホテルに住んでいる、ということ自体が珍しいのだが その女は、外出する時間も不定期で 仕事を持っているようには見えない。 まだ若く、しかしながらその落ち着いた様相は 年齢を推察する僕を混乱させる。 普段、他人と接触す…

週友

新しいネットワークサービスを ちょっと思いついた気がするので メモします。 - 参加ボタンを押す。 するとランダムなグループに振り分けられる。 グループは最大6人くらい。 6人でチャットができる。小規模ツイッター。 グループは日曜から土曜まで維持され…

砂漠の塔

この世界のどこかに広い広い砂漠があって 中央に、高い塔が立っている。 見たことがある人は、たぶん誰もいない。 砂漠の中では方向感覚が狂うから たどり着くのは難しい。 これはミナコの言ってた話で でもミナコは馬鹿だから信用できないっていうか これも…

ミニスカートと砂漠

中学生の頃、ミニスカートが流行っていて 制服を短くするのは まあなんとなく短くしちゃったんだけど あたしの持ってた白いパンツが 階段とかでチラチラ見えるのが すごく恥ずかしかった。 友達に訊いたら やっぱりTバックを履いたりしてて でも、履いたら洗…

創作について

◆平田オリザがどっかで言ってたことまとめ。 真・善・美の判断は受け手にゆだねるべき。 現代音楽や美術では、それを研ぎ澄ますことができる。 しかし、演劇はなかなかそうならない。 なぜなら【関わる人数が多いから】 関わる人数が多いと、たいてい薄まっ…

iPad

これは仕事に使える! 気軽に持ち歩けるテキストエディターがあって 大きめの画面で内容が常に確認でき すぐにデータとして会社のPCに送れたら どんなにいいだろうと、ずっと思っていました。 さらに、指で軽いメモすら書ける! 今まで紙に書いていたラフレ…

アバター

単純なプロットで作られた 最高の作品。 娯楽大作でした。 川崎で見てきたのですが 3Dの魔力なのか 見終わったあとしばらくの間 映画の世界から抜け出せませんでした。 色彩豊かなファンタジーの世界。 まるでFFの中に迷い込んだかのよう。 肉体の表現に、プ…

I come with the rain

素敵な映画でした。 まず特筆すべきはキャラクター。 無償の愛を捧げる癒し手。 探し相手と同化する探偵。 女を愛する香港マフィア。 少し異質な設定が 社会にしっかり組み込まれていて それが独特の世界観を 作り出していました。 そして何より素晴らしいの…

シーツに潜る

どうしようもなく落ち込んだとき あたしは、シーツに潜る。 そしてゆっくり服を脱ぐ。 真上からシーツを捉えてる カメラを想像しながら。 本当に落ち込んだときって それを誰とも共感できないもので わかる、すんごくわかると 話を聞いてくれる素敵な友達も …

FF13

ちょっとシナリオに飽きてきた。 感情じゃなくて事象で引っ張ってほしい。一方で、バトルがどんどん楽しくなってきて 昨日は、あるボスが倒せなくて 二時間戦いつづけた。この高揚感は、ちょっと いいかもしれない。

ゲバルト烈爪

パルスのファルシと パージされたルシが コクーンをどうたらこうたらな FF13をプレイしていますが 超面白いです 中二病? だから何? FF以外の中二病は 全部ニセモノだから。 とでもいわんばかりの インフレーションの 津波のようなソフト。 冒頭3時間の流れ…

ほっといて売れたものなんか

ほとんど存在しないんだ。 売ろうと頑張ったからこそ 売れたんだろう? - sshimoda

ommwriter

macユーザーの方は ぜひ使ってみてください。 素敵なテキストエディターです。 こういうのって絵における 筆みたいなもので ツールによって書く文章も 少しずつ変わってくるものです。 久しぶりに歌詞を書きました。