ゴールデンスランバー読了

伊坂さんの新作です。
こういう出来のよい小説を読むと
純文学なんて本当に必要なんだろうかと疑問に思う。


この人の小説の素敵なところは
伝えたいメッセージなんて全然ないってことだ。
作者の思惑は消えて、ただ物語だけがそこにある。
メッセージ性のある小道具を使ったりはするけれど
それはいつだって小道具にすぎないから
読んでいて、純粋に楽しめます。


どうせ共感せねば理解できないのだから
あんまり難しいことを考えたって伝えるすべはない。
人生の総合得点をJOY値で換算するならば
問題は世界のために読むか自分のために読むかだ。


なんかこの人は、たまに大学時代の友人関係を書く。
青臭いことを言うよ。
それがなんかすごい好きなんだ。