ガラパゴス(笑)

ニュースでガラパゴスって言葉を聞いたら
それはものすごい褒め言葉なんだと
脳内で置き換えることにした。


そして俺は、俺の脳内に
ガラパゴスな領域を作ろうと思う。



脳内は少しだけ未来
俺は疾走MW2を作っている。


今夏に発売されたゲームが
俺の業界内での評価を決定的なものにし
好きにゲームを作れる自由が与えられたのだ。


プロトタイプを見ながら、俺たちは可能性に身を震わせている。
ビビッドな色が後ろに過ぎ去っていく様が
モダンアートのように見え、あまりに美しいのだ。


ピクセルごとに取得した彩度の高い部分にのみ
ブラーをかけるという単純な処理が
夢のような風景を見せてくれる。


全てのサウンドが脳内麻薬を発生させる。
ファーストステージのBGMはグラハム・フィットキンにしようと
俺は、心に決める。


3D配置されたBGMが、徐々に移り変わってゆく。
気分が最高潮に達したとき
俺は特大ジャンプを決める。


そこでは、誰もが特大ジャンプを決められる。


これはゲームではない。
触感のあるムービートラックなのだ。



27歳
確かな知識と今以上の実績を手に入れること
ミドルウェアに精通すること


29歳
自分発のプロジェクトを立ち上げること


32歳
2本目、ガラパゴスと現実のドッキング
自身の社会的出世作であり
スターピースとなるプロジェクトを
立ち上げること


35歳
AAAタイトルを狙って立ち上げること


38歳
AAAタイトル?
フランチャイズ展開すること
仲間たちに道を作ること


41歳
AAAタイトル?


44歳
自分の城のアドバイザーや
新規立ち上げのサポートを積極的にしつつ
自分は、小規模でアーティスティックな作品を(ようやく)作ること
2年で1本、最低3本。
人生設計が2年遅れるごとに
ここで作れる作品が(悲しいことに)少なくなる


50歳
開発を統括するマネジメントに専念すること


55歳
5年で自由に動ける立場になること


60歳
5年で組織を作り変えること


65歳
5年で世界一の実績を作り
きっちりと退職すること
孫をかわいがること
田舎で暮らしながら
文筆と作曲に励むこと

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sshimoda