たとえば僕が

何かを作って
それに触れた人が
救われるなら、と
考えてみる。


表面的な救いではない。
たとえば、みんなが薄々と気づきながら
見過ごしているような
それでいて深い闇に
捕われている人を
引っ張り上げることができるのなら


おそらくは闇の中にいる本人も
それが正しい方法なのだと
信じて疑うことがないままに生きている
だから、そこから引っ張りだすことが
正しいとは、言いきれないのだが
それでも、僕が違和感を感じている以上
手を差し伸べることは救いなのだと


そう信じて
文章を練ってみようと思う


死の直前に
君の生きた意味は、と聞かれたら
これを書いたことです
少ない人が、これを読んだことです
そして、僅かな人が
救われたかもしれません、と
胸を張って言いたい


たとえば特定の一人のために
自分の全てを注ぐことができたなら