とある企業の入社試験が

面白かったので、ここに記します。



以下の物語を、空欄を2000字以内で埋めることで完成させなさい。
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女「仕事は簡単。これから15分間、私の彼氏として振る舞ってくれればいいの」
男「それだけ?」
女「それだけ。ただし、ひとつだけルールがある」
男「そんな話は聞いてないよ」
女「ごめんなさい、言い方が悪かったかも。ルールというよりは、個人的なお願いというか、約束なんだけど」
男「いや、ルールがあろうとなかろうと、別にかまわないんだ。ただ確認したかっただけだよ」
女「じゃあ、約束してくれる? 大丈夫。守ろうと守るまいと、報酬には変わりがないから」
男「それを聞いて安心したよ。勝手な契約は禁止されているからね」
女「ありがとう」
男「それで、どんなルール?」
女「嘘は、3つまで」
男「え?」
女「これから話すことについて詳しく伝えることはできないんだけど、そこでは信頼関係が重要な役割を果たすことになるの。だから、嘘をつかれると困るのよ」
男「君が、僕のことを信頼できなくなるから?」
女「それも理由のひとつだけど、これからすることは、嘘の通用しないことなの」
男「どんなに上手くても?」
女「どんなに上手くても。でも、全く嘘をつけないと困るでしょう?」
男「そうだね。個人的なことはなるべく喋りたくないし、守秘義務もある」
女「だから、3つまでは嘘をついてもいいわ。それくらいなら誤差の範囲内だから」
男「4つになると、誤差の範囲を超える?」
女「そういうわけじゃないけど。でもこういうのって、数を明確に決めておくことが大事だと思うの」
男「わかった。じゃあこちらからも条件を出させて欲しい」
女「なに?」
男「組織のことは聞かない。それから、立ち入った話もやめてほしい」
女「組織のことは聞かない。ただ、話の流れで立ち入ったことを聞く必要が出てくるかもしれない。どちらにしても、悪戯に質問したりはしない。それでいい?」
男「わかった。じゃあ、仕事を早く済ませようか」
女「録音を始めるわ」
〜〜(空欄)〜〜
女「仕事はここまで。報酬は今日中に振り込んでおくから」
男「うまくいった?」
女「うん。約束を、守ってくれたおかげ。守って、くれたのよね」
男「守ったどころか、ひとつしか嘘をついてないよ。君は?」
女「私? 私は3つしか本当のことを言ってない」
男「え?」
女「重要なのは真実じゃなくて、信頼だったのよ」



もちろん、こんな入社試験があったこと自体フィクションですが
こういった肩の力を抜いた考え方も
アリだなぁと思ったので、書いてみました。