短篇草稿

土手添いの道で偶然出会った、少年期の友達と
話をしながら歩いていると、いつのまにか
僕は少年になっている。
外見は変わらないまま。


あの頃は大人びて見えたあいつは
記憶に残っているより、一回りも二回りも
幼い言動をとっている。
やはり、外見は変わらないままだ。


道ゆく見知らぬ他人も
まるであの頃、同じ道を歩いていた
同級生のような気がしている。


なによりも驚きだったのは
幼い自分が夢見る、未来の自分が
現実と、何ひとつ変わっていないことだった。
夢を確実に実現している自分は
ただし、その気持ちの持ち方、一点だけが
幼い頃と、大きく異なっている。