犠牲者・島本理生

彼女の小説に登場する
主人公の女の子が常に
犠牲者であることに腹立たしさを覚える。


強姦などの、時折あらわれる
小説上の大きな事件を別としても
付き合っている男の言動
また、事情
そういったものによる小さな被害の積み重ねが
物語を形成している。


そのような小さな事件が
次から次へと
(たとえば、死のイメージ、などという安易な言葉によって)
ドラマタイズされていく様は
僕のような男にとって
我慢ならない程、気持ち悪いのだが
どうか。