ラジアータストーリーズというゲームをやりました。

ひどいゲームでした。


まず、イベントの出来がひどい。
ローコスト上にモーションなどが
十分な数作れなかったのには目をつぶるとしても
(それにしてもやりようはあったと思うのですが)
被写界深度の設定が、何も考えられていない。
画面が見づらくて仕方ないんです。


という、些細なことがきっかけで
僕がこのゲームを見る目は厳しいものとなりました。
それでも、良くできた戦闘システムや
街の人の生き様なんかに惹かれて
かなりの時間プレイしたんです。


僕がこのゲームを許せなくなったのは
妖精と人間が戦争を起こし
どちらかにつかなくてはいけないという
ストーリーの山場の所でした。


詳しいことは書いている時間がありませんが
どちらも共に生きていくという選択肢を与えられないまま
ゲーム序盤で一緒に旅をした仲間と苦楽を共にしようと
戦争において、妖精の側につくことを決めたんです。


そしたら、そのあとがひどい。
主人公はかつて仲間として共に冒険した人間をなぎ倒し
「よっしゃ!」などと、ほざきます。
主人公とごく近しい人が
レイプまがいの拷問を受けるような場面まで出てきます。


こういった挑戦的なストーリーを批判しているわけではありません。
僕が許せないのは、そうしなければならなかった理由が
主人公が人間を殺さなければならなかった理由が
しっかりと描かれていないところなんです。


ライトなタッチで描かれたキャラクターに惹かれ
このゲームを買った子供も少なくないことでしょう。
でも、僕はできることなら
子供がこのゲームをやらないことを願います。


正当な理由なくして、かつての仲間であった人を殺すことが
あたかも正義であるかのような描かれ方をしているこの作品が
子供の考え方に、良い影響を与えるとは思いません。


ゲームの物語が持っている影響力は
意外と大きなものです。
このゲームが好きだという子供がいたら
その子供の考え方に、このゲームの展開は
大きな影響を与えてしまうことに、なりはしないでしょうか?


もちろん、短絡的な問題ではありません。
このゲームがあったから殺人が起こるんだとか
そういう単純な問題ではありません。


このゲームひとつでは
子供の人生に大きな影響を与える、などということはないでしょう。
でも、こういった物語が
子供の周りに溢れるようになるときがもし訪れるとしたら…
恐ろしさすら覚えてしまいます。


こういったゲームが、物語が
今後増えていかないことを祈ります。
質の低いクリエイターが、この業界から消え去ってくれることを、祈ります。