耳をすませば

込み入った話を伝えようと思い
頑張って言葉を紡ぐけれど
聞き手が内容を置き換えてしまって
そのことなら自分もよく考えるよ、といった具合の
別エピソードが飛び出してきて
がっかりすることが多い。

だからだと思う。
僕は、以前に比べてあまり話をしなくなった。
思うことはあっても
言わないほうが「結果的に」スマートだと判断して
言葉を口にしなくなった。


同時に僕は、言葉を口にすることを
恐れるようになっているんだと思う。


伝えば、夢について語ることも。
伝えば、自分の書く物語に没頭して空を飛ぶことも。
雫を乗せて登るって決めてたんだ! なあんて
かっこわるすぎて、かっこいいじゃないか。